五行とは古代中国で考えられた、この世の中を構成する五つの状態「木・火・土・金・水」のことです。これは 太陽系の惑星、木星・火星・地球・金星・水星が由来です。土は土星だという方がいらっしゃいますが、五行土は「中央」に坐することを考えれば、土は地球でないとつじつまが合いません。
占術を行う上では五行に優劣はありませんが、実際の成り立ちを考えると、五行には優劣があります。最も尊いのは「木」で、他の五行はすべて木のために存在します。
火は成長に欠かせない日差し、土は木が根を張るところ、金は剪定するハサミ、水は木を育みます。
木・・・曲直。上に伸びようとする性質があります。
火・・・炎上。最も陽の気が強く、天にも昇ります。
土・・・稼穡。万物を生成し育みます。
金・・・従革。適応し何にでも形をかえることができます。
水・・・潤下。 下に向かっていきますが、万物に潤いを与えます。
木は燃えて火となります。木の燃えカスは土となります。土が堆積し、その中に金を生成します。金は冷えて結露し水を生じます。その水は木を育みます。この相手に力を与える関係を「生」といいます。
火は木を消滅させるので凶、土は木の燃えカスと考えると凶、万物を包括することを考えれば吉、金は木を傷つけるものなので凶、水は木の養分となりますので吉となります。
木は土の養分を奪います。火は金属を溶かします。土は水を堰き止めます。金は木を傷つけます。水は火を消します。この向かい合う関係を「剋」といいます。
四柱推命の世界では、適度な剋を「制」といい喜びます。木は剪定してくれる金があって成長することができます。火は熱くなりすぎるので、水を必要とします。土は固すぎると金を生成できないので木の根でほぐされることを必要とします。金は鉄鉱石の状態では金としての働きができないので火で鍛えられることにより美しい刃になります。水は土が堰き止められることにより湖になります。
生も与えすぎると返って悪くなります。木に水を与えすぎると、根腐れしてしまいます。木が多すぎると火は消えてしまいます。火が多すぎると土は焦土となって、そこからは何も生まれてきません。土が多すぎると金は出てこれなくなります。金が多すぎると冷えないため結露せず水を生むことができません。
剋される側が強すぎると、剋している側が弱まります。土が多すぎると木は養分を取りきる前に寿命を迎えます。金が多すぎると火は溶かすことできず火が先に消えます。水が多すぎれば土は崩壊し、水に流されます。木が強すぎると金は先に刃こぼれします。火が強すぎると水は蒸発し消えてしまいます。
四柱推命の世界では、適度な剋を「制」といい喜びます。木は剪定してくれる金があって成長することができます。火は熱くなりすぎるので、水を必要とします。土は固すぎると金を生成できないので木の根でほぐされることを必要とします。金は鉄鉱石の状態では金としての働きができないので火で鍛えられることにより美しい刃になります。水は土が堰き止められることにより湖になります。