何が八字に影響を与え、何が影響を与えないかに関して、持論と夢のお告げから得た理論を展開します。
天干・・・当該の命式(日干)の人間関係等を表します。年干・月干・日干・時干の四つ。イメージ=舞台役者
年干・・・直接、日干に影響を与えることはできませんが月柱に影響を与えます。人物=親、身体=頭
月干・・・日干に直接影響を与えます。人物=兄弟・友人、身体=胸部
日干・・・四柱推命の中心、本人を表します。別名、日辰。 人物=本人、身体=腹部
時干・・・日干に直接影響を与えます。人物=子供、身体=下半身
地支・・・当該の命式の天干へ力を与えます。年支・月支・日支・時支の四つ。イメージ=舞台スタッフ
年支・・・年干支・月干に影響を与えます。
月支・・・年干支・月干・日干支に影響を与えます。別名、月建といい、八字全体に最も影響を与えます。
日支・・・月干支・日干・月干支に影響を与えます。人物=配偶者
時支・・・日干支・時干に影響を与えます。日干に最も強く作用します。別名、時建
日本で教えられている四柱推命では、「隣り合う干支は相互に全て影響する」とされていますが、四柱推命とは日干=本人がどういう運命を持つか、ということを論じる占術でありますので、全てを相互に影響すると思ってみると本質を損ないます。
天干では、年干は直接日干に影響できませんので、日干に直接影響する月干への影響にとどまります。月干から年干への影響を見ることは意味がありません。
四柱推命は天干の状態がどういうものなのかを看る占術ですので、地支は常に天干に影響を与えることだけを看ます。天干から地支へ影響することを看ても、全く意味がありません。
上図の矢印が示す通り、あくまで天干を主体に看ます。イメージとしては天干は舞台役者、天干と地支に間には舞台があって、地支は舞台スタッフです。
月支は舞台監督、日支は主役(日干)の付き人、時支は主役のマネージャー、年支は舞台監督の関係者と考えると分かり易いと思います。
滴天髄に「天干の争いは問題ないが、地支の争いは甚だ被害が大きい」とある通り、地支の状態が悪いと、舞台役者が安心してその使命を果たせなくなります。
蔵干・・・地支の構成要素です。この要素によって天干の状態が変わ
ってきます。例えば、甲乙の木は、辰土(乙癸戊)の土の
上ではよく育ちますが、戌土(辛丁戊)の上では育成が良
くありません。丑と未も同様でよく育ちません。
大運・・・直接、八字に影響を与えます。第五番目の柱です。
流年・・・直接、八字に影響を与えます。第六番目の柱です。
地支の特殊関係について
冲・・・隣り合った支の争いは良くありません。行運によ
る冲も影響を受けます。
支合・・・合がある支は動きが鈍ります。
会局・・・会局ができると特定の五行が強まります。半会
方局、拱ができた場合も同じです。
これらは地支にある場合と、行運でも直接影響します。
これに反して、刑害派は、その性質上、喜神と忌神に影響を与えるものなので、それほど影響を感じません。劉伯温老師は「刑は効いたり、効かなかったり」、韋千里老師は「刑が効いたのを見たことが無い」と、それぞれ著書の中で記されています。
地支の冲、合に関して・・・最も良くないのが、月支が冲を受けている事です。支合は冲ほどではありませんが、月支の働き
を弱めますので、良くありません。次に良くないのは、日支が冲を受けることです。特に結婚に
問題がでます。日支の支合は問題ありませんが、地支の働きとしては、支合が無い場合に比べる
と弱くなります。兎にも角にも、地支は冲と合が無く穏やかであることが良命の絶対条件です。
月支の会局と方局に関して・・・月支はしっかりと当該の命式を動かしていなければいけません。つまり月支が酉で、年支が
巳、日支が丑の場合、巳酉丑の金局が完成し、月支は協力者を得て強くなりますが、月支が
巳で、年支が酉の場合は、巳月なのに金局を強められ、巳が巳として働けない状況が出来て
しまいます。この場合、戦いではないので致命的な問題は起きませんが、月支が季節を伴う
活躍が出来ないという減点が発生します。
方局は、月支が申酉戌で、その左右に申酉戌と並んだ場合は秋の気が強くなり、金局が強ま
りますが、会局の様な減点は起きません。
三合会局は、例えば子を中心にして左右に申辰がある場合にのみ成立します。間が一柱空いてしまうと、左上二図の様に、半会+辰という状況となりますが、ただ地支に水が多いことは変わりません。
方局も子を中心として、亥子丑と並んだ時が一番強いですが、順に関わらず亥子丑と3つ揃えば成立します。とはいえコアとなる子に隣接していない支に関しては、化殺が可能となります。
但し、子丑に間を挟んで亥がある場合は、子丑の支合+亥という状態になります。
日本の四柱推命では、地支に申子辰があれば三合会局が成立し、亥子丑があれば北方三局が成立するとしていますが、隣り合わない支は影響しないという四柱推命のロジックと相反してしまいます。
実際の処置で私は幾つも、左上3図の様な場合でも、辰と亥を化殺して効果があることを確認できていることから鑑みて、コアである子に隣接しない場合の、辰申、亥丑はそれぞれ化殺可能な支と思います。
合化に関して・・・日本の四柱推命の多くはは、会局や方局、拱が成立したとき、例えば申子辰の場合、申辰に関しては蔵干
の全てが化水し効果を失う、としていますが、これは間違いです。
正解は辰申の蔵干にある壬癸の働きがつ良くなり、水が目立って動きますので、あたかも辰申が水になっ
たように見えますが、実際の所、蔵干の中の他の干が無くなることはありません。
拱・・・拱とは例えば亥卯未、寅卯辰の木局のコアとなる卯の代わり
りに、天干に甲か乙があった場合、それが卯の役目を果たし
木局が出来ると言うものですが、滴天髄にも韋千里老師や袁
樹冊老師の著書にも「拱」の文字は見られません。
私も全ての推命の書を読んだわけではないのですが、拱の文
字を確認したのは「淵海子平」の格局の項目に、拱貴格、拱
禄格というのが数点紹介されているだけでした。
その淵海子平でも、甲寅とあるだけで拱としているところか
らも、特に特定のルールがあるわけでなく、天干からみて地
支に根があり、且つ地支も天干に透干しており、特定の五行
が強くなっている状態を言うものだと思われます。
上図の左側と右2図の例は、乙の直下に未亥、未寅、未辰があり拱が成立しますが、右1と3図の様に、地支部分に蔵干に甲乙を含まない支が来た場合は拱は成立しないものと思います。
拱の結びつきは、三合会局や方局に比べれば弱いので、化殺が可能です。しかし三合会局や方局と同様で、このような状況あった場合、特定の五行が強くなるのは間違いありません。結び付の強弱に関わらず、特定の五行が強くなっていることを無視してはいけません